第1章

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雲一つない澄んだ寒空の下 右手はポケット 左手もポケット 私のじゃなくて君の… 「寒いね」 って言いながら自分のポケットに手を入れたら 「…こっちのが温かい」 って私の左手を取って、そのまま君のポケットへ なんか恥ずかしくて 「カップルみたい」 って言ったら 「違ぇの?」 って言われた 軽く首を振りながら、小声で 「違くない」 って言ったらポケットの中で繋いだままの手をギュッてされた その時、左手の指先に金属みたいなのがあたった 「何?」って聞こうとしたら 「手、見てみ」 って言われた 言われた通り手を見てみると 左手の薬指にキラキラ輝く銀色の指輪があった 何が起きたのか分からなくて戸惑ってると 「そこ、予約な」 って一言 君が照れながら言ったその一言に心臓が止まるくらいドキドキした 「うん…約束ね」 左手の指輪 君との約束の証 ちゃんと大事にするから 約束守ってね
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