失意の底

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逃げ出したくなった 何もかも、捨ててしまいたくて 振り向いた先には、イチさんはもういなくて 私は、のぞき込むように廊下を確認した ――いない 「何してるんだ?」 「――ひ」 「成田」 「ぶ、ぶちょ――」 背後には、出野部長。 私は部長の顔をみて安心して、その場にしゃがみこんだ 「……お前は」 頭のてっぺんから、そう笑い声がする
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