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女のものとは違う、柔らかくはない胸。慎ましやかに存在する粒を、やわやわと擦る。
視覚を奪われ、予期しなかった場所への接触に短く息を漏らしていた。
優しく触れているとはいえ、刺激に他ならない。幾分か硬くなり、ほんの少しだけ主張を強めたそれに爪を立て引っ掻いて。
彼が後退りしそうになったところでそれは意味を成さず、粒を摘まんで引き伸ばし、捏ねくりまわし。
私の手が届かないなら、彼自身にさせればよいのだと気付く。
利き手とは違う側を使って自慰することを依頼する。依頼とは強要であり、断ることなど最初からできない。
――それは彼が最初にそう望んだことだ。
命令してほしい、言葉遣いに抵抗があるなら依頼という形で構わないから、と。
自分の人格など無視して、やりたいようにやってくださいと。
どこで見たか忘れたが、胸と陰部を快楽で繋げて脳に覚えさせることは可能であるらしい。
とはいえそれは一日二日でできるものではないとのことで、これからずっと続けていかねばなるまい。
……彼は。
私に何を望んでいるのだろう。
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