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限界に近くなっている彼の中で、行き場のない欲望が暴れ。
背後より抱き締めるような体勢で首筋から鎖骨、胸の頂点を経て木原、恥骨と左右各々を線を描くように触れ、彼自身に挿れられている棒の先端を確認するように、指で作った輪でしっかりと押さえる。
数秒の間を空けて、彼の呼吸が整いかけた瞬間一気に引き抜き、白濁が漏れないように締め付けを強めて。
何か言うことがあるのでは、と問いかける。
潤んだ目がなんとも愛らしい……いい年した男性に、それが誉め言葉となるかどうかこの際考える意味はない。
「出したい、です……」
何を、どのように? と意地悪く問い返し、切羽詰まった彼は半ば叫ぶように卑猥な単語を並べ立て。私は戒めを解き、強く擦る。
往復すら必要なく、脈打った。
呆けている彼のあまりにも幸せそうな表情を見ていると、私の選択は間違ってなかったのだろうと確信する。
またやって欲しいと言う彼に、気が向いたらと答えて、自分が放ったモノの後始末をさせる。無論、道具など必要ない。彼は彼らしく、這いつくばって綺麗に舐め取ればいいだけのことだ。
掃除の最中に軽くとはいえ頭を踏み、白濁の中に思いきり顔を突っ込んでも幸せそうな顔をするのだから始末に負えない。彼はどこまで変態なのだろうかと思案し、床掃除を終えて寄ってくる彼の顔を私は拭いてやった。
勿論、雑巾だ。
器具一式は彼の家に置いておく。
私の気が向いたらとは言ったが、勝手に使うなとは言っていない。
さて、彼は自らを慰めるのにこのセットを使うのだろうか。灰暗い楽しみが、また増えたのだ。
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