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吉祥寺駅前のカフェ。雛との約束は夕方5時50分だった。
でも雛は来ない。俺は胸騒ぎがしたんだ。すでに来ていた礼於に不思議な夢の話をした。
礼於が俺に言ったんだ。
『同じ夢を見た…』と。
礼於は集中治療室で横たわる俺と雛を見ていた。
店の外で悲鳴が聞こえ、カフェを飛び出した。
俺達の目の前で雛が事故に遭った。あれは予知夢だったのか、現実だったのか、わけがわからないまま、俺は血に染まった雛を抱き締めた。
どんなに悔いても…
どんなに泣き叫んでも…
もう夢は繰り返されることはなかった。
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