第1章

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ぐっと、手にあるモノに力を入れて少女は自分の方へ引き寄せた。 すると、少女の左腕からは綺麗な赤い線が咲く (あぁ、またやってもうたわ) 少女はそんな事を思っていたが 右手は止まることなく左腕を真っ赤に染め上げていく。            【異常】 『普通』の人なら、誰もがそう思うだろう。 少女は、気味の悪いほどの笑顔で止まることなく自分の左腕を傷つけているのだから ただ、同じ『異常者』が見た少女の姿は 酷く泣いていて今にも壊れてしまいそうだ。 そう言っていた。 普通、いったいそれはどこからが普通なのか。 人は自分が普通だという基準を持っている。 ただ、その普通という差別に近いモノに 傷つく者もいる。 苦しめられる者も居るのだ。     そして少女は今日も独り赤い涙を零して眠りにつく
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