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「マスターは、ずっとディスプレイに映る世界を見ていた、ただ背負ってる過去をずっと生かすために」
「俺は...」
「ですがもう自覚してるようですね」
「....!!」
終は言葉が返せなかった。
「いるではないですか、友達(かぞく)が」
俺は言葉を返すことは出来なかったが、瑠璃子が言いたいことが理解できた。
「ですから、佐由美をこれからも支えてやってください」
「え──?」
佐由美は意外な言葉に喜びを覚える。
「そんな面倒なことやるかよ」
「え?」
そして終はこう言った。
「俺は契約通りにやるだけだ、だから俺がどれだけ佐由美に尽くそうがそれはすべて義務なのだ」
「ふふ、それではよろしくお願いいたしますね」
「ああ」
そして20分後───
「今日はありがとうございました」
「それはどうも」
なんか今日は長く感じたな、早く家帰って寝よ。
まだ夕方だが、終にとっては外で買い物に行くだけでも筋肉痛に成りかねないのだ。
「それでは、私こっちなので」
「ああ」
終は家に向かった。
しかし瑠璃子は建物の影で泣いている人を見かけた。
「佐由美?」
よく見たら、佐由美だった。
佐由美は私の声で気付いた。
「瑠璃子ー!」
「うわあ!」
急に飛び乗ってきた。
「瑠璃子、私達親友だよね!?」
ど、どうしたんだ急に...?
私は笑顔でこう言った。
「当たり前でしょ!深都も含めてね♪」
「る、瑠璃子ー!」
「うわちょっと離れてよ!!」
涙を制服に擦り着けてくる。
佐由美は改めて友達の大切さを知ったのだった。
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