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「でも、やっぱり佐由美の料理は美味かったよ」
結局これが一番だ、他の三人の駄作に比べて。
「すいませんご主人、私が妨害まで予測してないせいで...」
「それは本当にすまない」
俺も愛依の料理無駄にしていたことを忘れていた。
と言うかあれはガルシアが毒を盛ろうとしたのだから正当防衛だろう。
「では、佐由美さんが優勝と言うことでよろしいですね?」
「ああ」
「じゃあ私の言うこと一つ聞いてくれるの?」
「なんでもは駄目だ、やれることだけだ」
いや国家権力味方に付けてる時点でなんでも出来るでしょうに。
「なら一つお願いがあります」
「何だ?」
佐由美は俺にとってとんでも無いことを言った。
「一週間だけ、学校に来てください」
俺はしばらく静止した。
「はあ!?」
なんと終は、二年ぶりに学校に行くことになったのだった。
────
ここは某地下駐車場
「なんであんたが着いてきてるの?私をどうするつもり?」
「つもりなんて、不謹慎ですよお母様」
愛依は終の母さんが車を止めている地下駐車場に足を運んでいた。
「少し誤解を解いておきたくて」
「...どういうこと?」
意味がわからん分からなかった。
「ご主人は決してお母様が嫌いで親元から離れた訳ではありません」
「違うの?」
お母様はどうやらその事ばかり思っていたらしい。
「ご主人は、大事な人達を失いました」
「...!!」
それは反抗期なんて物ではなく、人間の心の中で最も悲しい出来事、失うことが関わっていた。
「だから、今はご主人を戻そうとしないでください、まだ傷が癒えてないので...」
新しい仲間達は増えたが、ご主人の心の傷は癒えてなんかない。
そう
もうこの物語は終焉に近づいている
こんな偶然に、過去を知るものが二人も集まったのだから
────
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