2話 揺るぎ続ける日常

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食事を始めて一時間が経とうとする。 「そろそろ帰りますか?」 「はい」 結局意外と楽しかったのは事実だ。 私達は店から足を外した。 「ちょっと着いてきてくれません?」 「いいですが、どうしたんですか?」 私は海翔さんに着いていった。 10分後 「ここは...」 「どうです?」 そこはこの大都会を見渡せる展望台だった。 「綺麗...」 「君の方が綺麗だよ」 「な...!!」 こんなド定番の台詞でさえ照れてしまう。 「もう、私はいつもいつもそうやってばかにされるのです...」 私がその手の言葉には苦手なことを知ってるくせに、皆どうして弱味につけ込むのかな... 「ばかにしてなどいないですよ、本当に可愛いと思ってるのです、僕の気持ちは本当なんです...」 「え...?」 その言葉の意味は、よくわかった。 「愛依さん、僕愛依さんのこと好きです」 「ふえ!?」 そして海翔さんは私の手を取り、顔を近づけてきた。 「ちょ、ちょっと海翔さん!?」 顔が急接近してくる。 ああ、私はキスをされるのか... 不思議と体も動かないや... 愛依は自分から回避することもできるが、回避しなかった。 ごめんなさい、ご主人... 「ちょっと待てよ」 「「...!!」」 唇と唇が重なり合う直前で、一人の男の言葉によって止められた。 「ご主人...!!」 そこに居たのはご主人だった。 「誰?」 「あ、えっと...」 いきなりの事で言葉が詰まる。 「おやおや、誰かと思えば海翔さんではありませんか?」 「お、お前まさか...!?」 どうやら二人は面識があるらしい。 「また女をはめてるのですか?」 「え?」 「ち、違う!お前いい加減なこと言うなよ!」 余裕が無くなっている。 「何がいい加減なことだ、お前の下道行為を警察に告発してもいいんだぜ?」 そう言う事だったのか... 「ちょ、ちょっと愛依さん!?」 愛依は物凄いオーラを出していた。 「一発で済まします...!!」 「え、ええええ!」 愛依が思いっきり振りかぶって、拳を放った。 「「...!!」」 しかし終が愛依の手を横から受け止めていた。 「こんなやつの為に、お前の手を汚すな」 「ご主人...」 嬉しかった、ご主人が私のことを思ってくれたことが
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