2話 揺るぎ続ける日常

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学校 屋上 「何してる、そんなところで?」 屋上で仰向けで寝転び、空を見ていた俺は、人の気配に気付く。 「ばれちゃいましたか」 「なんだ愛依か...」 いつもと変わらないメイド服を着ている愛依がいた。 「あの、先日の件はすいませんでした」 「先日?ああ」 他の男と居た件か 「そんなこといいに学校まで来たのか?」 俺は上半身を上げてそう言った。 「いいえ、学校生活のご主人を一度見たくて...」 「それが本音か...」 と言うかどうやって学校に入った? 「ご主人は行かなくていいんですか?」 「ボードのことか?それなら俺は行かないぞ」 「もう、こんな機会滅多にないのに...」 なんで団体行動みたいなことしないといけないのだ。 「佐由美さん、そっちは順調?」 一年生のテーマは「季節」 私達は夏を描くことにしたのだ。 「うん、順調だよ」 佐由美はそう返した。 「佐由美、マスター知らない?」 「終さんならサボってるよ」 「...そうなんですか」 瑠璃子はしょんぼりしていた。 「どうしたの?何か用でもあるの?」 「い、いやそんなことないよ!」 何故か全力で否定する。 「あれー瑠璃子ー、もしかしてあの人のこと...」 「ち、違う!」 深都の言葉を全力で止めた。 「瑠璃子、終さんのこと好きなの?」 「マ、マスターは恩人であって、決して恋愛感情を抱いてるわけでは...」 はいはい顔赤くなってる。 どうやらそうらしい。 でもあの人の一体何処がいいんだ? たまに、いや本当にたまに頼りになるときがあるが、それ以外では特に... 一割=頼りになる、二割=ニート、7割=クズ人間 な人だし。 「ねえ瑠璃子、終さんの何処がいいの?」 「だから!そう言うことではないの!」 相変わらず否定する。 「まあ瑠璃子が好きって言うなら私達もサポートしなくてはね!」 深都が瑠璃子にとって余計なお世話をする。 でも、私はあまり乗りが良くなかった。 「おいそこの三人、恋ばなは修学旅行の夜にしろ」 話をしていると、先生に注意されたのだった。
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