2話 揺るぎ続ける日常

35/45
前へ
/45ページ
次へ
「ごめんね、君まで着いてこさせて」 「本当にそうです...」 嫌味っぽく言った。 「神代、お前にクラスを託したぞ」 「...何の冗談です?」 どうやら頭までイカれてるようだ。 「冗談なんかではない、お前しかクラスを任せる者がいないのだ」 「俺は監視役として来てるだけです、だからクラスなんて...」 「お前が監視役だからなんだ?私のクラスにいる以上私に決定権がある」 また強引な事を... 「分かりましたよ!クラスは俺に託してください」 どうせ監視役なのだから仕方が無いだろう。 「俺はそろそろ帰るぞ」 「じゃあな神代」 その言葉を聞き、俺は病室から足を外した。 三日目 今日は急遽ボード作りを中止して、六時間目に先生のお見舞いに行くことになったのだ。 「神代君は行かないの?」 恐らく先生のお見舞いの事を言ってるのだろう。 「行かないよ」 だって昨日行ったしな。 「それでは委員長、戸締まりよろしくな」 俺は教室から退散した。 「神代君...」 友美は教室の鍵を閉めて、出ていったが。 ドアから人の影が感じた。 四日目 「な、何よこれ!」 教室に広がったのは見るも無惨な程に破られたボードと、破壊された全員の絵の具セットだった。 「...妨害工作?」 話に出てきたのは男子達だ。 「他のクラスとか?」 「それも考えるが、例えばボード作りをサボっている神代君とか...?」 「マスターはそんなことしない!」 先に終の犯人の可能性を否定したのは瑠璃子だった。 「そ、そうだよ、終さんがそんなことするわけがない...」 「でも、それを証明する証拠は無いよね?」 男子達の攻めは容赦なかった。 「それはお互い様だよ」 「委員長...」 友美が仲裁に入った。 「どうしてです?委員長もあの男には随分と避けられてたでしょ?」 「それはどうでもいいことです、意味なく一人を複数で責めるのはいじめに相当することを私は述べているだけです」 大人の対応だ、生徒会に一人は居てもおかしくない人材だろう。 「とにかく今はボードをどうするかを考えることが先決でしょう」 そうだ、この状況をどうするか、それが問題だ。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加