2話 揺るぎ続ける日常

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「愛依さん...!?」 「誰?」 友美が状況を把握仕切れていなかった。 「あ、えっと、メイドです」 それしか言えなかった。 「皆これを見ろ」 「こ、これって...!!」 中に入っていたのは彌生先生が間違って大量にに買ったピンク、レッド、グリーン、ホワイトの和紙だった。 「ただの和紙だよね?こんなんでどうするの?」 男子達はまだ分かってない。 「ま、まさか...!!」 委員長は気付いたようだ。 「まさか神代君、張り絵を考えているの?」 確かに絵の具が無くて和紙があるならそれもありだと思うけど、実行するにあたって問題点もある。 一つが、張り絵の方が普通の絵よりよっぽど時間がかかる。 二つ目は色の種類、色が4色しかないと言うことは作品も限られていると言うことだ。 「委員長、やりましょうよ!」 先に佐由美がそう言った。 「確かに、張り絵でボードを作るなんて、特異性がありますからね」 「時間が無くたって皆で作れば大丈夫だ!」 全員納得した。 「さっそく作業に取りかかってもらう」 終さんも参加して作業が進んだ。 「ピンクは9枚、グリーンは20枚、ホワイトも20枚、レッドは12枚皆で手分けしてちぎってくれ」 凄い、あらかじめ必要な枚数を計算して無駄な作業を省いているなんて...!? 「さあ早く」 すると終さんが紙をちぎりだした。 「な、何やってるのです?」 「何って、手伝ってるに決まってんだろ」 終さんが手伝う?そんなことって... 「何のつもりですか?」 男子達が不信感が沸いた。 「先生に頼まれたから、俺はお前らを手伝う」 「そんなの本当はどうでもいいんでしょ?貴方はどうせ一週間で居なくなるのですから」 そうだ、あと4日でいなくなるのだから。 「だとしても、俺は先生にたのまれたから協力する、それだけだ」 そしてまた和紙をちぎりだした。すると 「佐由美?」 佐由美が俺の横で和紙をちぎった。 「仕方ないから手伝いますよ」 「...それは当たり前だ」 そして瑠璃子、深都も手伝いだした。 「男子達もやるよ」 友美は男子達に呼び掛けた。 「まあ、やるしかないですね」 「仕方ない、やるか!」 全員が和紙をちぎり始める。 「よし、皆やるぞー!」 「「「おー!」」」 委員長の掛け声に皆が合わせた。
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