2話 揺るぎ続ける日常

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7日目 ボード大会 次々とクラスのボードが発表される。 一年生のテーマは「季節」 二年生のテーマは「目標」 三年生のテーマは「希望」だ。 一年生以外は哲学的なことになるために、各々創造力が豊かである。 ますは一年生からだ、学年優勝と総合優勝を争う形になる。 「次は私達の番だね」 「ああ」 佐由美が終に呼び掛ける。 実際昨日終さんは用事があったわけではなく、ただ体調を崩しただけなのだ。 愛依さんが言うには、ずっと家に引きこもった状態だったから連続で外に出て体調を崩したと言っていた。 まあ今日学校に来たら皆からヒーロ扱いを受けていた。 あの時、終さんは無表情だったが、楽しい感じだった。 「二人とも仲良いね」 「あれー瑠璃子、嫉妬?」 「ち、違います!」 この頃学校では転校生が三角関係になっていると話題になっているのだ。 「次はD組です、よろしくお願いします」 すると私達のボードが出てきた。 先生の中ではその特異性を評価する人が多かった。 その絵はたった4色で表現された春をイメージした絵だった。 太陽を赤で表現して、雪を白で、草を緑で表現している。 太陽の日差しが雪を溶かして、草を生やし、そしてピンクで雪粒のように丸くイメージした桜の花びらが落ちていくと言う、この世界の偉大さを表したもとだった。 ボードでは表現しにくい混合色もイメージした。 「ありがとうございました、次は二年生です」 その合図も無視して、生徒の声は納まらない。 「やりましたね...!!」 「だな」 皆の評価は抜群だった。 そして、結果発表の時。 「結果を発表します、一年生最優秀賞、D組、二年生最優秀賞、A組、三年生最優秀賞、C組です」 最優秀賞が発表されて、私達は立ち上がって喜んだ。 「「「やったあ!」」」 「やりましたよ終さん!!」 「あーはいはい、と言うか抱きつくな」 いきなり抱きついた佐由美。 「そして総合優勝は...」 次の瞬間、総合優勝が発表された。 「一年D組です」 さらに私達のクラスが盛り上がったことと、学年も盛り上がった。 「「「やったあ!」」」 その総合優勝は、歴代を見ても初めての一年生の優勝は初めてだった。
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