2話 揺るぎ続ける日常

40/45
前へ
/45ページ
次へ
ボード大会後 D組は打ち上げをしていた。 「あれ?マスターは?」 「さあ?」 しかし終は居なかった。 「また屋上にいましたか...」 「なんだ佐由美か」 屋上で寝ていた俺を起こしに来た佐由美。 「どうして、そこまで尽くしてくれるのです?」 終さんはこう答えた。 「それぐらい、自分で考えろ」 ただそう言った。 「見せたい者があります、来てください」 「お、おい...」 手を取られて、歩かされた。 来た場所は教室だ。 「...これって」 そこで目にしたのは、ボードに「ありがとう」と張り絵で描かれていた。 「色々言いましたけど、あなたのおかげて総合優勝も出来ました」 「悪かったな、そしてありがとう」 男子達も感謝の気持ちで一杯だった。 「学級委員長の私からお礼を言います、今日で終わりですか、あなたにはこれまでにない感謝を示します」 「昨日休んでる時に作ったの」 あの一日で作り上げたのか... 「それほど感謝されたら逆に困りますよ」 終は笑みを浮かべてそう言った。 「それでは、俺はもう帰ります」 「ちょ、ちょっと待って!!」 「ありがとな、こんな俺の戯れ言に付き合ってくれて───」 最後に終はそう言って、出ていったのだった。 学校 校門 「瑠璃子?」 前方には瑠璃子が立っていた。 「一週間、お疲れです」 「それを言いに?」 もう何度瑠璃子と喋ったことだろう。 「いえ、それもありますが、ご褒美の方を...」 「褒美?」 そう言えば一日目にそんな約束していたな。なんだろう... 「あの...私事ではなんですが...」 何故か恥ずかしがっている。 「なんだよ...?」 焦れったいな... 「...目を閉じてください」 「...なんで?」 「いいから!」 「ハイ...」 なんか怒られてしまった。 俺は目を閉じた。 そして俺に体を寄せてきた。 「え...!?」 頬っぺに柔らかい食感が感じた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加