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でも...
「どうして...?」
何で先に死んだの...?
私がブレイブブレインから逃げたから?
ガルシアは自分を追い詰めていた。
「ガルシアさん...」
愛依が私の肩に手を置いた。
「悲劇と言うものは、乗り越えないといけないものなんです、どれだけ辛い思い出でも...」
辛い、思いも...
「ありがとう愛依、でも、もう乗り越えてるよ」
「ん?」
「私には、もう友達がいるから!」
ガルシアは笑顔でそう言った。
そう、私には佐由美と愛依、
そして終がいる
仲間がいる
だから...
「「悲しくなんてない」」
ガルシアは最後に墓にはなを置いていった。
「行くよ愛依!」
ガルシアは墓を後にした。
「墓参りか...」
すると愛依はガルシアと別方向に行った。
来た場所は二つの墓だった。
「お久し振りです、真さん、初さん...」
愛依はそう言った。
「終は元気ですよ」
呼び方が変わっている。
そして雨が降ってきた。
「何してんだよ?」
「ご主人...」
背後から傘を私にさしてきた。
「濡れるぞ?」
「ご主人こそ...」
恐らくご主人も...
「ちょっと傘持ってろ」
「ちょ、ちょっとご主人...!!」
傘を私に渡して、ダイレクトに雨をくらう終。
「ご主人...」
終は墓に目線を合わす。
「ごめん、二人とも...」
ただそう言った。
「行くぞ」
「ちょっと待ってください!別にご主人だけが悪いわけでは...」
「同情なんて軽い気持ちで俺の過ちを語るな」
「...!!」
一瞬だけ雨が強くなったような気がした。
「...悪い」
ご主人は雨の中、墓を後にした。
傘もささずに。
「...すいません」
私は最後にそう言った。
LOST──────
─────────
「初めまして、南雲志初と申します」
それが俺達の出会いだった。
2話 完────
NEXT 第3話 「揺るがない過去」
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