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「安心してください」
すると愛依は泣き崩れる俺に二つのUSBを床に置いた。
「一つが国家機密情報、もう一つが秘蔵フォルダーです」
それは今までの怒りを振り切るような嬉しさが沸き上がる朗報だった。
「ちゃんとバックアップしてますから、きゃあ!」
「お前にもまだブレイクしてない脳部分があったとはな!」
俺は嬉しさのあまりに愛依に飛び付いた。
この嬉しさは俺が政府に鎮圧されることがないと言う嬉しさもあるが、
俺の秘蔵画像が入ったフォルダのデータが消えないことの方がよっぽどうらしかった。
「ちょ、ちょっとご主人!」
「でかしたぞ愛依、そうだよな、お前もデータバックアップしないでパソコンを壊す用な馬鹿ではないよな!!」
「ちょっと、暑苦しいです、やめてください!」
まさかご主人からこんな真似をしてくるとは、私はもう何回もしてるけど、ご主人からは二回目だ。
でもいきなりやられるのも恥ずかしいものだ。
「おっと悪い、愛依、新しいパソコン買ってきてくれ」
「えー、一人でですかー?」
「当たり前だろ」
最近俺をつき回してるが、それは使用人の仕事ではないはずだ。
「すみませんが私はこの後一連の事件の処理があるので」
「嘘だろ!?」
「いえこれは本当です」
これから仕事があるのにどうしたらいいんだよ!?
「それでは一人で買い物に行かれては?」
「冗談ではない、俺は動くのが嫌いなんだ」
「ゴミクズですね」
最近愛依は言葉の暴力が激しいのだ。
「いいではありませんか、少しは外に出てくださいよ」
これは優しさなのか、ただ面倒なだけなのか?
と言うことで──
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