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「僕は一流倶楽部会長の及川悟だ。
お二方?
まさか、この野蛮な連中のことかい笹井醇一君?」
陸攻とみさきを、危なく順にギプスで指し示しそうになり、慌てて顎をしゃくりながら悟。
一方、醇一はそれを敢えて無視しつつ話を続ける。
「はい。
貴方のおっしゃる通りです一流倶楽部会長の及川悟さん」
「ははは、無駄なことは止め給え笹井君。
君は本来こちら側にいるべき人間と見た。
そんな蛮賊共に与しては、君に傷がつく事になるぞ?」
面と向かって一流倶楽部会長と呼ばれたのが嬉しかったのか、今のところ悟は醇一に敵意を向けてはいない。
すると醇一は、間髪入れず悟にこう返していた。
「傷つくのが嫌なら初めから軍の学校になど進みません。
一流になどなれなくて結構。
特に、仰ぐ先輩を散々虐げた上にクズブタとまで罵り、その上同期を蛮賊呼ばわりするような、人を平気で踏みにじりその上に平気で胡座をかいているも同然の一流など願い下げです」
ほんの一瞬ではあるが、両目一杯に敵愾心を漲らせつつ三人を一瞥しながら醇一。
同期生が彼に、軍鶏というあだ名を進呈するのも頷ける一場面であろう。
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