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「我々一流倶楽部の活動に理解を示す者は、帝大生の中でもまだまだ少数派ですからねえ」
悟そして康博とは異なり、弥吉はすっかり得意満面である。
どのくらい得意満面かと言えば、危なく胸の前で腕組みならぬギプス組をやらかしそうになった位に。
それを知ってか知らずか、雷造は質問を続けた。
「ここだけの話やで君達。
君達だから言うけどな、そこのアホ二人が絡んだんはワイの知り合いやねん。
その娘さん、髪は短くて目鼻立ちの通った別嬪さんやろ?」
「はい。
実は…
阿久津さんの知り合いの方のお陰で、そこの二人から殴られずに済んだようなものなんです」
「あの綺麗なお姉さんだろ副会長?
江田島健児と意気がったところで、ピストルを突き付けられたら尻尾を巻いて逃げ出しましたからね」
「またそれやったんかいなユーリのあほ…
そうそう、ユーリがなぁ。
是非君達に直接会(お)うてみたいて言うとったで」
「おお!」
「それは光栄な!」
「是非とも喜んでと、そのユーリさんにお伝えください」
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