報復裁判。

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「…バカかオドレは。 騒ぎならもう江田島で起きとぅやろ」 「! それは…」 「バカはお前だお巡り風情が! 大事な甥っ子たちを、一流の設備が整った陸軍病院に連れていって何が悪い!」 三人のうろたえぶりに業を煮やしつつ本橋大佐。 しかし雷造は、それに些かも怯まずに言葉を続ける。 「ま、どこで手当てしよとあんたらの勝手やけどな。 せや、せっかくやからついでに教えたるわ。 正確にはノブレ(ッ)ソブリージュ。 発音が全然ちゃうわアホ。 それと、ノブレ(ッ)ソブリージュは英国やのうて仏国が発祥の地や。 確かに、あんたらの三流倶楽部に理解を示すアホな学生なんぞ、まだまだ少数派やろな」 雷造のこの言葉に、三人組が仲良く浮足立ったのは言うまでもない。 やがて悟は 「兄弟だけで話したい事がある!」 …と急に言い出し自習室を飛び出して行く。 やがて陸攻が、教官連中に小突かれつつ渋々これに続いた。
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