罠。

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「だから抑えて下さい小林さん!」 「陸を… ワイの戦友をここまでコケにしさらしてほっとけるか!」 「お気持ちは私もよく解ります… ですがどうか…」 (この人の友人を思いやる気持ち… 第一分隊に配属されて本当に良かった…) 口頭と心の中とで交互に呟く笹井。 すると嵐山が、少しだけおどけつつ口を開く。 「どうかいつもの小林さん通り、冷静になって下さい …やろ?」 「分かっておられるなら何故…」 「堪忍な。 こうでも言わな収まらへんねや。 すまん笹井、自分の言う通りや」 (せやな… おかげで助けられたな… 伊達のアホやったらこうはいかんわ…) 嵐山もまた笹井と同様に、口頭と心の中とで交互に呟いている。 やがて逸る気持ちそして拳をどうにか抑えつつ、嵐山はゆっくりと口を開くのであった。 「笹井、何か気ぃつかへんか? 陸が、自分の事ワシやのうて俺て言うたやろ?」
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