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未だに続く報復裁判。
陸攻とみさきが懸命に耐える中、左京がゆっくりと口を開く。
「どうも話が食い違っていますね。
一式生徒は腕を捩り上げただけだと言うし、一流倶楽部の皆さんは袋叩きにされたと…。」
自称一流倶楽部からの圧力そして脅迫も虚しく、被告側と原告側が何度話しても話は平行線を辿るのみである。
次第に退屈になりつつあるのか、自称一流倶楽部の連中は苛々しつつ欠伸や伸びを頻繁に繰り返す始末であった。
嵐山と笹井が法廷に現れたのは、ちょうどそんな時である。
やがて二人が姓名を申告すると、左京がゆっくりと口を開くのであった。
「ご紹介致します一流倶楽部の皆さん。
被告側の証人をお引き受け下さった、小林嵐山さんと笹井醇一さんです」
嵐山の顔を見るなり、弥吉の顔色が変わったのは言うまでもない。
それに素早く気がつくや、嵐山は不敵に笑いながら口を開いた。
「なんや、海軍作法0点ダボやんけワレぇ。
また陸のライスカレーギンバイしに来たんか自分?」
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