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「君は何だと聞かれる前にお答えいたします久貝島作さん。
私は小林さんと共に、こちらのお二方の弁護を熱望いたしました」
陸攻とみさきに、後は私達に任せて下さいと言わんばかりの力強い微笑を向けつつ醇一。
すると啓吾は、これ以上邪魔をしたら許さんとばかりに大声を張り上げる。
「弁護だと!
誰がそんな勝手な事を許可した!」
顔を真っ赤にしてまで醇一の言葉を封じようとする啓吾。
すると、間髪入れずに左京がこう答える。
「私がお願いいたしました。
どちらか一方からの証言ばかり募るのでは、捜査の公平性が大いに損なわれますからね。
それとも、何かそれでは御都合が悪い事でも?」
「そんな事は言っとらんだろう!
い、言われてみればそうかもしれんが…
それならそうと早く言わんか!」
「以後気をつけますのでお許しを」
「…この事は永野大臣に伝えておくからな」
「どうぞお手柔らかに」
左京や雷造とは異なり、いわば法律の専門家ではない啓吾にしてみれば、そう威圧しつつ自分のちっぽけなプライドを守るのが精一杯だったのかもしれない。
すると悟が、ここは俺の出番とばかりに得意満面で口を開いた。
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