罠。

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その揺るぎない怒りと闘志とを至近距離からまともに喰らった三人は、内心狼狽しつつ言い逃れに心血を注ぐのであった。 「な… 証拠はあるのか証拠は!」 「す、少なくとも僕はそんなことを言った覚えはないぞ!」 「く、クズブタ!? 一体どこの誰が、大事な弟にそんな酷い事を言ったというんだ笹井君! い、幾ら妾の子だからといって、そんな酷い事を僕は一度も口にした事などないぞ!」 これらの発言を聞いた嵐山が、危なく 「…ホンマもんのバカやでこいつら」 …と言いそうになったのは言うまでもない。 そして嵐山は、内心にてこう呟くのであった。 (笹井… やっぱホンマにおもろいで自分。 第一分隊に来てくれてホンマおおきにな) 醇一はそれを知ってか知らずか、否、明らかに確信しつつ言葉を続ける。 その姿そして言葉は、当初嵐山が期待していた以上のものであった。
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