罠。

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ところが陸攻は、なかなか嵐陸コンビの呼吸が戻らない… 「嵐さん! 狭山はまだ何も…」 「あほ。 クマは黙っとれ。 …いつまでへこんでんねや」 「! …嵐さんしどい」 「やりゃあ出来るやん」 「お言葉ですが、貴方もひどいですよ一式さん。 私の話はまだ済んでいません」 「…わっさいびん」 「一式さんは全く…」 何時しか原告連中を完全に無視し、そんなやり取りを交わす四人の江田島健児。 そのやり取りは陸攻とみさきを大いに勇気付けた半面、原告連中を大いに刺激してもいる。 そんな事など百も承知の上で、醇一は言葉を続けた。 「そんな二人が腕力に訴えるとしたら、貴方がたの中の誰かが堪え難い屈辱を二人に与えたか、二人の大事なものを踏みにじったかのどちらかでしょう。 松上警部。 こちらの方々の記憶が正しいと仮定すると、彼等は一式さんと狭山に袋だたきにされたのですよね? …3対2の優勢下にあったのにも関わらず」
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