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「まさか。
証言の重みと社会的地位、そして身分は無関係ですよ」
「やっぱほうでっしゃろ?
ほれ見い、明治大帝のお触れ忘れとうやろ自分。
トウサク社主、今時四民平等無視しとうアホがいてまっせ?
記事にしたらどないでっか?
一流新聞を名乗っとうトコの社主が、まさかあないな暴言を知らん顔したりせえへんでっしゃろ?」
「む…
本橋さん、今のは貴方に非が…」
「やっぱほうでっしゃろ?
…ええお友達をお持ちでんなぁ参謀殿?」
敢えてニッコリと笑いながら嵐山。
しかしその剛力は、万力、否、カワゾウのプレス機の如く啓吾の手首をギリギリと締め付けている…
「わ、分かった!
分かったからその手を離せ!」
顔を真っ赤にしながら啓吾。
陸攻はその様子から、嵐山が六割程の力で啓吾の右手首を掴んでいる事を察した。
やがて戒めを解かれた啓吾が、掴まれた場所をフウフウ吹きながら口を開く。
「し、証拠ならあるぞ!
東京陸軍病院軍医直筆の診断書三人分だ!
文句あるかッ!」
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