罠。

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「もうやめときや陸軍さん、早瀬君、トップ屋の兄ちゃん。 この勝負あんたらの負けや」 「証人御苦労小林生徒、笹井生徒。 よく頑張ったな一式生徒、狭山生徒」 「ええい! 黙れじじいに大尉風情が! 井上海軍少将閣下の御前…」 真っ先に啓吾に加勢すると思いきや、顔色を真っ青にして啓吾を羽交い締めにする早瀬伯爵親子。 「あ… あの方は… もう止めよう本橋大佐… あの方は、我々如きの敵う相手では…」 「どうしようパパぁ… 僕怖いよぅ…」 懸命に何かを言おうとしている親子だが、それは敢え無く啓吾のどら声に掻き消されてしまう… 「何をする早瀬伯爵! こんなクソジジイに言わせておく事は… さては今更怖じけづいたか! 貴様らそれでも伯爵親子かーッ!」 「お父さん…」 「ああ… 以前神戸の造船所を取材した折りに… 悪い事は言わん大佐。 ここは伯爵の言う通り…」
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