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「男子バスケ部です!えーっと男子バスケ部は去年、インターハイ準決勝で敗れてしまい、悔しい結果となってしまいました。」
陸先輩のスピーチ(?)に会場の女の子達がほぉ・・・とみとれている。
まぁ、わからないことはないんだけど
見慣れていると、複雑。
「3年生が抜け、15人となった男子バスケ部は春の地区大会で優勝を果たし、悔しさをバネに県大会に臨みます。」
こちらもこちらで生馬も女の子達が熱い視線を送っている。
あー・・・幼なじみがこんなだと複雑だ。
みんなが知らない裏の顔も知ってるだけに。
「それではー!うちのエースの上原陸と期待の星の東雲生馬の1on1を行いたいと思います!」
「「え?!杏奈(ちゃん)?!」」
ごめんね、二人とも。
これ、あなたたち以外知ってる展開なんだよ。
「もう・・・杏奈ちゃん・・・なんなの・・・。」
「ったく杏奈!後で覚えてろよっ!飯奢れよな!!」
そうして1on1。
下級生ハンデとして、ボールは生馬から。
「よぉーいっ!ピーッ!!」
笛の音がすると生馬がすぐ動いた。
『うおっ!!!』
会場が湧く。
すぐにドリブルで生馬が陸先輩を抜こうとするが、陸先輩が目の前に立ちはだかる。
「っ!!!」
生馬の口角がくっと上にあがる。
ったく、コイツ・・・この1on1を楽しんでるよ。
陸先輩も陸先輩で生馬からボールを奪えずにいる。
生馬がフェイントをかけようとした瞬間、陸先輩がボールを奪う。
『おぉっ!!』
そしてゴールに向かいシュートを打つ。
入っただろうなと思った瞬間ー・・・
「なめんなよっ!!」
生馬がシュートをカット。
そしてそのままボールを取ってゴールへ・・・。
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