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「し、知らないはずないじゃん!なんてったって中学のときからマネージャーやってるんだし!」
独特のプレイスタイルと顔のよさでファンだってたくさんいたのだ。知らないはずがない。
「あ、あの柴崎準が今目の前にいるなんて信じらんない・・・。」
「ははは、先輩大袈裟っすよ!あと、フルネーム呼びやめてくださいっ!」
「あ、そう?じゃあ・・・柴崎・・・くん。」
・・・すごい目で見られた。
「・・・柴崎・・・。」
引き続き、もしくはもっと怖くなった。
「し、しばちゃん・・・。」
殺されるんじゃないかと思った。
「わ、わかった!準くん!これでいいよね?!」
「はい、杏奈先輩!」
ニコッと爽やかな笑顔を浮かべる準・・・くん。
「そういえば先輩。さっき目があったとき思いっきり逸らしましたよね?」
ドキッ。
顔を覗きこんでくる準くんに不覚にも胸が高鳴った。
「なんでですか~?」
「え、や、それは、その~・・・。」
少し顔が熱い。
早く放してほしくて適当に答える。
「言わないつもりですか?・・・なら。」
準くんは顔をあたしの耳元に近付けると・・・。
「このままキスしちゃいますよ?」
そう、言い放った。
「う、うわわわわ!言う!言うから放してっ!」
「じゃあどうぞ。」
・・・い、意地悪っ!
「・・・た、ただ、知らない後輩と目があうのって・・・なんていうか、その・・・。」
「ん・・・?」
「恥ずか、しく・・・て。」
こういうこと言うのって、照れるよね。
準くんは少し頬を赤らめると、「そんなことですか!」と笑い飛ばした。
・・・また恥ずかしくなった。
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