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準くんと話をしてたらあっという間に勧誘会の時間になった。
「ありがとねー!いいサボり時間だったよー!」
「なんすかそれ・・・。」
準くんは苦笑いしている。
はは、うん、そうですよね、あはははは。
「バスケ部の勧誘、楽しみにしてますねー!」
「勧誘微妙だったからって部活変えないでよ!!」
「変えませんよ!」
そう言って別れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「杏奈ちゃん、こっちこっち!」
体育館ではちょうど舞台のセッティングが行われていた。
「遅れてすみませんっ!陸先輩!」
「杏奈はどうせ入学式サボってたんだろ~?」
「うっさい生馬!」
あたしはというと、キャプテン上原陸先輩と幼なじみの東雲生馬に迎えられていた。
陸先輩は白馬に乗った王子様みたいなオーラを纏ってて、少し癖のついた髪の毛も可愛くて、目元も柔らかくて、
女子からの人気も高くて。
生馬は生馬で、黒髪で右耳のピアスが印象的で、漆黒の黒い瞳は女の子を撃ち抜いて離さない。そんな魅力的な人。・・・らしい。
「杏奈ちゃん一人じゃあ大変だし、マネージャー新入生入ってくるといいね!」
「あ、でも入ってくると思います。」
「え?」
「南陽のセンター、柴崎準がうちに入学してきてるんです。あの顔目当ての子が入ってくると思いますよ。」
「でもそーゆー奴ほど長続きしねーだろ?去年思いしってんじゃん。」
「まーねー。」
去年、陸先輩を目当てにバスケ部のマネージャーに志望した子が殺到した。
けれどあまりのキツさに次々とやめていき、残ったのはあたし一人だったというわけだ。
「でもあの柴崎準か・・・今年はちょうどセンターいないし、レギュラー入りしそうだね。」
「心強いけどなぁ。なんか癪だな。」
陸先輩と生馬はそれぞれぼそぼそと呟いている。
「ほらほら、新入部員獲得するんですから!頑張りましょうね!」
そうして、バスケ部の順番がやってきた。
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