蝉の声

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「そうなんだ~」  何故か彼女は眼を輝かせている。 「あぁ、うん…」  だから、そんなキラキラした目を俺に向けるなよ。どう対応したら良いのか、分からないだろうが。  未だ嘗てこんな目で女子から見られた事がない。これは一体何を意味してるのかサッパリだ。 「なんかカッコ良いね」 「え?」  意味が分からなくて阿呆みたいな声が出た。 「周りに流されてないのがカッコ良いね」  もう一度彼女はそう云った。  …カッコ良い…カッコ良い……  頭の中で何回か繰り返した(勿論彼女の声でだ)。  悪くない台詞だ。
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