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でもまぁ、そのお陰かあの日の紅茶の売れ行きは良かったらしい。
だけど、あまりそんな事してほしくないんだよね~。だって服が紅茶臭くなるんだもん。
「クスクス、無駄に?」
何故か彼女は笑っている。
しかも嬉しそうに。
「あぁ無駄にな…俺はあんまり好きじゃないなぁ。匂いがしないっていうのは、絵の魅力の一つでもある気がするし」
絵だけで匂いが感じられるってくらい相手を絵の世界に引き込められたらどんなに凄い事か。
けど、死ぬまでに一回は香料を使ってみたい。何事も経験だって台詞が世の中にはあるんだしね。
「ふ~ん。絵の魅力かぁ~」
ニオイが感じられないくらい彼女は後ろに下がった。
あっ後ろ見ないで下がって行ったら危ないよ?転ばなければ良いけど…。
俺が心配したような事は起こらず、彼女は足を止めた。
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