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指定された席へと向かう。待っていたのは金の髪を持つ女の子であった。
「私はルナ、君が噂の新入生ね。よろしくね!」
ユートと同じ十歳だがその美しい容姿はとても十歳のものとは思えなかった。普通ならその笑顔だけで見とれてしまいそうだがユートには全く関心がなかった。
「…よろしく。」
一瞬にして嫌われてしまいそうなほどの無愛想な返事を返す。
「ユート君は何の課を受けるの?」
「…剣の課だよ。」
同じトーンで答える。
「剣か…剣ってことはベーゼ…」
言いかけたその時、後ろに2人の男を従えた黒い長髪の男がやって来た。
「おいおい、いきなりナンパか?俺はベーゼル。その女はやめとけ、顔は確かに可愛いが性格はぶっ飛んでるからよ。」
十歳らしからぬ発言を繰り返す彼は、十歳にして剣の課でトップクラスの強さを誇る世界に七つある王国の一つ、ラダーク王国の王子である。
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