0人が本棚に入れています
本棚に追加
少し涙目になった所で離してくれた。少し詮索過ぎたかな 頭上に神様がいると信仰している国もあるし 気分を害すよな……
「ごめん 何か……悪い」
「……………もういいです こちらこそ……」
はぁ やっぱ不謹慎だよな俺は
猫耳少女は立ち上がり俺の顔を見ようともせず 馬車の奥の角まで歩いて行き座り込んだ。
そしてすすり泣く声がまた聞こえた。
……嫌われてしょうがないか。 今さら傷つかないよ 慣れてるし!
「―――お母さん……お父さん………助けてよ…」
猫耳少女のこだます声で 俺ら捕まった人達は抑えていた悲しみが剥き出しになり 涙を流していた。 自分を除いてだが。
…………こんなファンタスティック状況になって理解し難いけど… 今 わかる事はある。
自分らしくないけど……助ける為に やれる事は俺にだってあるはずだ。
「―― おい 泣くなよじいさん」
たそがれているじいさんに声を掛ける
「なんじゃ! 短し余命に感傷に浸る事さえケチ つけるか!!」
感傷に浸る前に生きる希望を持てよ だからハゲてしまうのだよ じいさん
「そうじゃなくて…… じいさんに借りたいものがある 今そこに付けている短剣俺に貸してくれないか?」
ボロボロのポーチに差しているナイフを要求する。
「これか? 馬鹿な考えはよさんか お前さん一人で何が出来る? 」
「なぁに……じいさんが思っている事じゃないさ 俺に出来るのは保険をかけるだけだ」
最初のコメントを投稿しよう!