第1章

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私は直樹へと両手を伸ばした。   「来て」 私の首元に顔を埋めるように私を抱きしめる直樹を私も強く抱きしめた。   「この間のホテルであんたが呟いた言葉とキスがずっと心に残ってて、自分でも気付いてなかった気持ちに気付いたの。友達としてでなく好きだってことに」   「あの時…、起きてたのか」 はぁっと言うため息と同時に直樹が私の横に寝転んだ。 そして申し訳なさそうな声で   「ごめん。寝込みに手を出すとか…」 小さくそう言って、額を肩にコツンと押し当てた。 情けない表情が想像できて私はちょっと笑った。   「最初は夢だったのかなと思ったんだけどね。でも夢じゃなかった。私も同じ気持ちだったの。だから、もう心配しないで。信じてくれる?」   「わかったよ。ありがとな、優羽」 直樹の腕が私を引き寄せ、優しいキスが私をゆっくり溶かしていく。 「好きよ。直樹。誰より大好き」 私の言葉に応えるかのようにキスが深く甘く唇から首筋に胸に降り注ぐ。 触れ合う胸で体温が混ざり合って熱い。 しなやかな直樹の指が私を感じさせて、私は声にならない声でそれに堪えていた。   「いい?」 両手で抱きしめた直樹の背中がしっとりと汗ばんでいる。   「あん、ん…っ」 私の言葉を待たずに二人は重なって、私は快感に眉を顰めた。   「愛してる、優羽」 揺れる度に繰り返す熱い波が心地よくて、何度も名前を呼んだ気がする。   「優羽の肌の感じ好きだな。なめらかで、柔らかくて」 息を整えた直樹が指先を私の胸の上で遊ばせながら私の肩にキスをした。   「そうかな?」   「おいしくてほっぺが落ちそう」 そう言って私の頬を軽く摘んだ。   「意味違うし」 私は拗ねた振りをして背を向けた。 直樹は耳元に唇を寄せながら、   「こんなに欲しくなったこと、今までなかった」 と囁いて、うなじにキスをする。 ジーンとまた体の中が熱く疼いてしまう。   「明日会社だし、もう寝なきゃ」 どうにか誘惑から逃げようと身を捩るけど、すぐに抱きしめられた。 そしてキスと指先に翻弄されながら、私も直樹を激しく求めて。 それにしても…。  “こんなんで体持つかな…”
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