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「柊哉、行ってきたらいいじゃん。
その間、彼女にお前のガキの頃の話でも聞かせてもらうから」
トングを片手に見せる匠海の笑いは俺に明らかな不快感をもたらした。
こいつと俺。
どうして友達なのかっていうくらい性格も考え方も違うのに、好きになる女のタイプだけは似かよっていた。
匠海はこの愛想の持ち主だから、特に本命じゃなくてもスイスイと寄っていく。
でも俺は本当に好きな子にしか興味を抱けないわけで。
「ねぇ、柊ちゃんてばーっ」
こうやって、体だけは成長している幼馴染みに胸を擦り付けられようと全く反応しない。
「柊ちゃん、柊ちゃん、言うなっ。
俺はもうガキじゃねーんだよ」
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