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食堂から響くどんちゃん騒ぎが、風に乗って私の部屋まで届く。
侵略戦の勝利。我が家への帰還。仲間を悼み、自らの無事を喜ぶためにも、確かにアルコールが必要な場面なのだろう。
同室の戦友は私もその宴へと誘ってくれたけど、断った。今日は静かに物思いに沈んでいたい、そんな気分だった。
しかし、そんなセンチメンタルな気分をぶち壊す喧騒に、戦友の明日を心配しつつ、静けさを求めて部屋を後にした。
――まだまだ大陸統一には時間がかかるだろう。つまり戦は終わったわけではなく、陛下は明日も進軍を命じるのだから。
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