これから、

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「小春ー、そろそろ行くわよ。準備できたのー?」 そう私を呼ぶのは私の叔母。 「今行きます、美香叔母さん」 私はそう返すと、最後に鞄のジッパーを勢いよく閉めた。 部屋を出て玄関に行けば、もう車のエンジンはかかっていて運転席で美香叔母さんが手を振っている。 「すいません、待たせてしまって」 急いで助手席に乗り込めば そんなのいいのよ、と叔母さんは膝に乗せていたボストンバッグを持ち上げてぼすっと後部座席に放り込んだ。 ……少々雑だけど、叔母さんはとても明るくて、優しい。こんな叔母さんだから私は今日まで来れたのかもしれない。
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