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彼の家は、店を出てから10分くらいの場所にあった。
「……??」
そして一瞬、自分の目を疑ったほどに彼の部屋は広かったのだ。
外から見た時にもびっくりしたけど……。
マンションの、16階。
4LDKはあるんじゃないかと思われる部屋の中。
窓からはもれなく絶景が覗いている。
私が思わず口を開いていると、くすくすと笑う声がした。
「……貴方は何者ですか?」
笑われたことが何となく悔しくて、そう言えば
彼は相変わらず柔和そうな笑みで答えた。
「何者だなんて……。ただ私も仕事は持ってますからね、少々人より自由が効くだけですよ」
みたところ彼はどんなに大きく見積もったって30までだ。
25、6歳なんじゃないかと思う。
「仕事って、何をやってるんですか」
「そんなたいしたことでは。デザイナーというのでしょうか?雑誌や広告から依頼をもらってるんです」
……よっぽどセンスがいいらしい。
よく見れば部屋も青と白を基調によくまとめられていた。
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