MISSION 1-(1)

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ようやく、二人きり・・。 ドクンとまた心臓が音を立てる。 「じゃあ、私の知ってるお店でいいですか?」 柏木の顔を覗き込み、目を合わせると 「はい。どこでも付いていきます」 ニコリと笑って、頷いた。 柏木に、嫌われてはいないと思う。 好感を持ってくれているのではないかとも思う。 だけど、だからといって、 今日ホテルで私と一晩過ごすなんて、 全く考えてないだろうと思う。 次のバーまで、歩く間、 私は柏木との距離を少しだけ縮めた。 ほんの少し手を動かせば、触れる距離。 私の歩幅に合わせてくれる歩き方にも優しさを感じた。 二人で入ったのは、表通りから一本はいったところにある、 カウンター席とテーブル席が数席のそれほど大きくないショットバー。 「おしゃれなところですね。よく来るんですか?」 丸いテーブル席の方に二人で並んで腰をかけた。 「久しぶりに来たかな。 最近は、仕事が終わるとまっすぐ家に帰って 寝たいって思っちゃうから。 もう若い頃みたいに、飲み歩いたりとか、全然・・」 言いながらハッとした。 素を出すつもりは、なかったっけ。 もっと妖麗な惑わす女を演じなくちゃ・・。
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