MISSION 1-(1)

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ちらっと堂本を見ると、 またしても声に出さずフっと意味深な笑顔。 仕方ない・・。 「堂本くんも、このあと時間があれば、一緒にいかない?」 堂本も誘った。 当然のように、柏木も『ぜひどうぞ』といった視線を堂本に送っている。 本当、柏木は裏表の ないまっすぐな男なのね。 フゥっと息を吐き出すと、 堂本の返事を待った。 堂本はニヤリとしたまま私の顔を伺って言う。 「ぜひご一緒したいところですが、 実は今、呼び出されちゃいまして」 とケータイを手に持つ。 その視線は、そらすことなく私を見てて、 心を丸裸にされて、覗かれているような気がして、ゾッとした。 それでも、必死で冷静を装いながら言った。 「また、女の子?」 「まぁね。すごく残念ですが、お二人でどうぞ」 女に呼び出されたのは本当かどうかわからないけど、 気を使って、二人にしてくれてる・・気もする。 「遊びもほどほどにね」 と私が堂本に言うと、 堂本はニコッと特上の笑顔で私の耳元に顔を寄せて 「課長も、がんばって」 柏木に聞こえないような小さな声で囁いてから、 「じゃあ俺、こっちですから」 と何事もなかったように 私と柏木を残して横の道を曲がっていった。
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