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思いっきり腑に落ちないことだったけど、
今は考え事しているヒマはない・・。
「次の方どうぞ」
何事もなかったように仕事に戻った。
そして、5時半。
私の仕事は終わったのだけど、
自分のデスクに座って、
さっきのメモ用紙を睨んでいた。
行かなきゃいけないわけ?
こんな一方的な呼び出しに、
しかも、思いっきり不機嫌そうな男の呼び出しに、
従う義理なんてないよね・・。
こないだの場所というのは、
あのベンチであることは間違いないだろうけど・・。
行くべきか、行かないべきか。
仕事が長引いてくれたなら、
行かない言い訳になったのだろうけど、
今日に限って、残業なし。
「高原、まだ帰んないの?」
突然、後ろから聞こえてきた声にびくんと肩を揺らした。
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