MISSION 2-(2)

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婚約を発表して以来、 さりげなく私と距離を置くようになった享。 でも、人目も気になるのか、大げさに避けることはなかった。 だけど、あの日以来、 こんなふうに近づいてきて話をしたことはなかったのに・・。 「帰るよ。もう」 メモはポケットの中に突っ込んで、 慌てて帰る準備を始めた。 「山下くんは?」 享を避けて、目も合わせず、 早口で社交辞令のように聞く。 「俺も今日はもう終わったし、 帰ろうかと思ってるけど・・。 久しぶりに、メシ食いに行かない?」 「は?」 耳を疑ってしまった。 たしかに、付き合い始める前も仲は良かった。 だけどあんなことがあった後だ。 「同期として」 強調するように言うけれども、 ただの同期にはもう戻れないってこと、 わかんないの? 「何言ってんのよ。婚約者が待ってるんでしょ?」
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