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一応、これから先のことも考えて
口元には笑みさえ浮かべながら、
冷やかすように言った。
私の言葉をどう受け取ったかは知らないけど、
享はヘラヘラっと笑いながら言った。
「昨日、ケンカしちゃってさ。お互いマリッジブルー的な?」
この人、こんなに、軽かった・・?
こんなに、怒りがこみ上げたのは、
久しぶりだ。
「最っ低だね!
あなたが選んだのが、私じゃなくて本当よかった」
周りを気にし、声のトーンは落としていたけど、
今までに出したことのないような低くて、憎しみのこもった冷たい声が出た。
まとめた荷物をガバっと持って、
大股で逃げるようにその場から去った。
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