MISSION 3 (2)

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「素敵ね。知らなかった。 近所にこんなバーがあったなんて」 「だろ?  俺は、駅までの道にあるのは知ってたけど、入るのは初めて」 私たちはカウンターの端っこの席に、並んで座った。 一人で飲んでいるお客さんが2人と、ご夫婦かな。 年配の男女が1組。 テーブル席には、若いカップルが1組。 それなりに、お客さんも入ってる。 「私、ジントニックで」 「俺は、ビールにしよっかな」 お値段もそんなに高くなくて、良心的。 一人でも来れそうな、いいお店を見つけた気分。 静かにテーブルに運ばれてきたドリンクを、一口飲んで、 中嶋くんはフッっと笑った。 「女の子と二人で飲むのって久しぶり」 「女の子って年じゃないけどね」 「俺と同じ年だろ?女の子だな。桜井は変わんねーからな」 じっと私を見る目に、優しさがこもってる。
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