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どれくらいの時間だったのだろう。
私の体の震えが収まるまで、堂本は身動きせず、
ただ優しく包み込んでくれていた。
ようやく気持ちも少し落ち着いて、
堂本の体をそっと押しやって、堂本に向き合った。
「これが狙い・・?」
戸山さんとの情事の後に
私を捕まえる計画。
私に協力すると言った時から、
ここまでのシナリオができていたの・・?
「・・そうですね。
俺の想いを上書きしてもらおうと思ってたけど・・。
この状況じゃ、手、出せねーな・・」
素直に認めて、残念そうに言う堂本が可笑しくて、
私も少しだけ笑った。
たとえ、堂本の計画が、私をここで落とすものだったとしても、
抱きしめられた時に感じた、
堂本の冷え切った体はウソじゃない。
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