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「どうぞ」
友田は8時を過ぎた頃、
家にやってきた。
モニター付きのインターフォンで確認してから、
1Fの入口を開ける。
そして、1分も経たないうちに、私の部屋のチャイムがなる。
この3年間変わることなく、
習慣のようになっていた。
友田と会っていたのは、
週に一度程度、
この部屋でだけ・・。
二人で並んで出掛けたこともなく、
友田が、上司の顔を緩めるのは、
この部屋だけだった。
「お疲れ様」
ゆったりとした笑顔で、優しい口調。
こういう関係になる前も上司として尊敬していた。
前の彼氏と別れた寂しさを埋めてくれたのは友田で、
はじめに関係を迫ったのも、
ここまで離れられなかったのも
私の方だった。
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