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――…
(くっそ。今思い出しても腹立つ!何が朝のキスだ。そんなもん一生無くてイイっての!)
「優ちゃ~ん。どうしたんスか~?」
「どうもしてねーし顔近いんだよお前!」
後ろから俺の肩に顎を乗せようとする小笠原の顔面を片手で押し返す。
「ふぐっ。だ、だって優ちゃんがいきなり黙っちゃうからさぁ……。本当に、何もないの?」
「ない。――大人しく座っていられねえなら、ココで降ろすぞ」
言った途端、
素直に座席に腰を下ろして静かになった。
(朝のことは忘れよう。それよりも、今日のこれからは慎重にいこう)
流れる景色を眺めながら、
俺はそう心に決めた。
【6恋】おわり。
2014.9.19
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