第十七章・信用という言葉

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☆☆☆☆☆ 「親父の癌が再発…」 医師からの宣告に和久は言葉を失った。 定期検診を受けていた秀和の検査結果、胃に腫瘍が発見された。 「先生、前回まで異常なしだったじゃないですか。なぜ、今回…」 「今回は、お父様が胃のあたりが気になると言われたので詳しく検査をしてみました。それで、腫瘍が見つかりました。さらに詳しく検査をしなければ、なんとも言えませんが入院した上で手術をすることになると思います」 「親父には?」 「まだ、説明していません。先に息子さんに話をしてからと」 「先生、良性なんですよね?」 「それは検査をしなければなんとも言えません」 会長の秀和が癌で入院。 良性であってほしい…と願う和久だった。 検査結果を受けて、秀和は入院。 和久は検査入院と嘘をついて、納得させようとしたが、薄々感づいていたのか、秀和は和久と二人きりになった時、株の譲渡について話はじめた。
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