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「会社に来るのはやめて」
『だったら、22時までに「crazy moon」厳守な。じゃあ』
「え？ちょっ！」
電話切りやがったーー！！
またもや私の返事も聞かずに言い捨て。
どんだけ自分勝手だよ！岸谷の野郎！！
携帯を握り締め、怒りに震えていると
「今の電話、男？」
低い声が後ろから聞こえて来て、ピクリと身が竦む。
よく考えたら、私、久しぶりに口説かれている途中だった！
恐る恐る振り返ると、腕組みして、課長がじっとりとした視線で私を見ていた。
課長は着信画面の表示に気がついただろうか。
「いや、あの…実は、友人と約束してて…」
我ながら、しどろもどろで嘘臭い。
「だったら、今日はもう上がれよ」
課長は、きっと私の嘘を見抜いている。それなのに大人な対応。
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