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前年度は、総務全体がそのことに悩み続けたと言っていい。 「だから、彼女の場合、口頭で指導するだけでなく、マニュアルを詳細に作り直し、せめて基本的な仕事が身に着くよう、そういう仕事を中心に与えました。本当に基本的な仕事…コピーや電話応対です。 それでもミスが絶えないので、同じ総務課の小野寺君や堀さんを始め、彼女の先輩たちにも協力をしてもらって、マンツーマン指導にもあたりました。 それが、きちんと指導してくれないということになるのでしょうか?」 「いや。今の話を聞く限り、森園君の落ち度は見当たらない。総務の皆さんも同じようなことを言っていたしね」 「ならば…」 「ただ…前田君が言うには、一男性社員に関わらないように、自分の与える仕事を選んでいると」 「はあ?」 最初、何のことを言っているのかわからず、口をポカンと開けて聞き返してしまった。 ・
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